海外での起業に興味はあるけど、ハードルが高そうと思っている人は多いのでは?
確かに、「起業」だけで大ごとなのに、「海外」で「起業」するなんて難しそう!と思ってしまうのも不思議はありません。
でも実は、国によっては日本で起業するよりコストを大幅に抑えられたり、ビジネスチャンスが豊富だったり、ライバルが少なかったりとメリットもたくさん。
特に、成長著しいアジアの新興国は大きな可能性を秘めています。
ここでは、アジア諸国で起業する魅力と知っておくべきこと、起業にオススメの国をご紹介します。
海外で起業する魅力
成熟市場の日本と異なり、アジア諸国は人口に占める若者の割合が高く、消費が盛んで、今後も更なる成長が見込まれています。
しかし、新興国では不足しているモノやサービスが多くあり、それらを提供している企業が少ないというのが現状です。
つまり、「こんなモノやサービスがあったら便利なのになぁ」と思うものをビジネスにすると、競合が少ないので勝ち組になれる可能性が高いということです。
日本では良いアイデアを思い付いたとしても、既に誰かがビジネスにしていることが多いですが、海外、特に新興諸国では、起業のチャンスが溢れていると言えますね。
また、アジアでは円の価値が高いので、同じ100万円でも3倍~5倍の価値を生みます。
日本と異なり、物価が安いため、起業の際の立ち上げ費用や運転資金、人件費も安くあげられます。
生活費も低く抑えることができるため、起業に必要な資金のハードルが低くなるというのも嬉しいメリットです。
海外での起業で知っておくべきこと
海外で起業する場合は、現地のことをどれだけ理解しているかが成功のカギとなります。
起業する際に知っておくべきことをまとめてみました。
- 文化風習
海外でビジネスに成功するために一番大切なのは、現地の文化風習を知ること。
日本のやり方、サービスがそのまま受け入れられるとは限らないので、現地の商習慣に適したもの、現地の人々が好むもの、現地のルールに乗っ取ったものを考える必要があります。
日本での経験にとらわれず、柔軟性を持って、現地の状況やニーズにマッチしたビジネスを展開することが成功への近道です。
- 現地の法律
現地の法律、特に商法、税法、労働法などは理解しておく必要があります。
ただし、外国語で会社設立や法律関連の書類を理解することは難しいので、専門の人を雇って対応するようにしましょう。
法律を理解せずに勝手にビジネスを行っていると、現地当局に摘発されて罰金を徴収されたり、国外退去させられたりという結果になる場合もあるので要注意です。
- インフラ
新興国で起業しようと思ったら、インフラの未整備は覚悟しておくべきです。
停電や断水が頻発する地域も多く、インターネットの回線等が不安定なケースもよく聞かれます。
また、道路交通の状況も把握しておきましょう。
多くのビジネスに物流は欠かせないので、道路事情により仕入れや物流コストが上がってしまうリスクがあります。
- 人材確保
海外での起業の成功は「良い現地の人材を雇えるか」にかかっているといっても過言ではないくらい、人材確保は重要です。
海外の労働者は、賃金や待遇などの労働条件に不満があるとすぐに転職してしまう傾向があるので、良い人材をみつけたら長く働いてもらえるようにベストを尽くしましょう。
- 政情不安
新興国では政情不安のリスクは避けられません。
その結果、インフレや為替変動などが発生し、人件費や物価が高騰することも。
経済成長時は物価上昇が毎年5%を超えることも珍しくはなく、賃金は物価上昇を上回るペースで上昇します。
また、為替変動により利益が振り回されてしまうこともありますが、為替は自分ではどうにもできないので予め為替変動のリスクを見ておく必要がありますね。
海外で起業するための準備
海外で起業する前には準備期間が必須です。
ただし、いつから事業をスタートするのか目標を設定し、そこから逆算してスケジュールを組んでいくことをお勧めします。
そうしないと、準備に時間をかけすぎて、起業にこぎつけるまでに息切れしてしまいます。
準備期間にやるべきことは、以下の3つです。
1.情報収集
起業する国を決定するために、候補となる国を3~4カ国に絞り、文化、人種、コスト、インフラ、治安、ことば、宗教、法律、日本との関係など、候補国について下調べしましょう。
国民性や需要、市場の規模や状況を考えて候補国を比較しながら、自分の考えているビジネスで最も商機を見出せそうな国を探します。
時間とお金に余裕があれば、実際に訪問してみて、自分の肌でその国を感じてこられるといいですね。
2.ことばの勉強
なるべく現地のことばを勉強しておきましょう。
たとえ流暢でなくても自分たちの国のことばを一生懸命話そうとする人に対し、現地の人々はサポートしてあげようという気持ちになります。
その国で起業するということは、その国で生活するということ。
友人を作ったり、困ったときに相談できる人をみつけたり、ネットワークを広げるために、ことばはとても大切です。
また、多くの国ではある程度の割合で英語が通じるので、現地のことばに加えてとりあえず困った時にはなんとかできるくらいまで英語力は磨いておいた方がいいですね。
3.資金調達
準備期間にできるだけ資金を確保しておきましょう。
海外で起業するためには、会社設立のための費用以外に渡航費や、アパート、家具、電化製品など生活をゼロから始めるための費用が必要となります。
また、起業したばかりのときは、全く稼げない可能性がゼロではありません。
そうした状態で、ビジネスが軌道に乗るまでどのくらい持ちこたえられるかが勝負の分かれ目になります。
長期的な視野を持ってビジネスができるように、なるべく余裕をもった資金調達を目指しましょう。
日本人が海外で起業するならアジアがオススメ
アジアは全体的に、これからの成長が見込まれる国々が多く、可能性は未知数です。
特に、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ミャンマーの4カ国は日本人が起業するのにオススメです。
シンガポール
シンガポールの法人登記はシンプルな上、法人税や所得税も日本に比べて大幅に低いため、利益を企業に還元しやすいというメリットがあります。
また、通信環境、インフラ、生活環境がアジアの中でも群を抜いて整備されているので、ストレスなくビジネスを行うことができます。
家賃や物価が高いというデメリットはありますが、国が安定していること、英語ネイティブであること、富裕層が多いこと、親日であることなど、初めての海外起業にはぴったりでしょう。
フィリピン
フィリピンは多民族国家で人口が増加し続けている国です。
平均年齢は24歳程度と非常に若く、消費意欲が高い国民性なのが大きな魅力と言えます。
英語が公用語のひとつなのも日本人にとっては安心ですね。
島国なので物価は安くはありませんが、労働賃金は低いので人件費を抑えられるというメリットがあります。
成熟途中なので、足りないものが多く、ビジネス参入のチャンスは豊富です。
日系企業も多く進出しており、一定数の日本人がいることも安心材料でしょう。
マレーシア
マレーシアは外資系企業の参入を歓迎しており、各種優遇措置を提供しています。
税率も非常に低く、シンガポールに変わる東南アジアビジネスの拠点として期待されています。
市場規模はシンガポールより大きいのに、生活コストを抑えられるのも魅力です。
首都のクアラルンプールではほとんどがバイリンガルなので、ビジネスも英語で行えます。
都市部のインフラは整っており、高い生活水準を維持できます。
ミャンマー
「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーは、民主化定着と経済発展を進める今とても勢いのある国です。
歴史的に親日で、物価も安く、治安も良いので生活しやすいでしょう。
外資を歓迎しているミャンマーでは、海外企業の参入が著しく、大きなビジネスチャンスが転がっていると言われています。
電力、通信環境等、インフラはまだ整備途中ですが、発展が続いており、今後が期待されています。
まとめ
日本とは文化も風習も異なる海外で、ビジネスを立ち上げて生活をしていくというのはリスクも不安もありますが、十分な下調べと分析をもとに準備をして挑めば、成功の確率は高まるでしょう。
その国にハマるビジネスのアイデアがあるのなら、勇気をもって起業してみることをお勧めします。
海外で起業して活躍している日本人はたくさんいます。
臆病にならずに、可能性とチャンスに溢れる新しい環境に一歩踏み出してみませんか?
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